LA LA LAND / 「人間の土地」(サン・テクジュペリ)

先日、日本橋でLA LA LANDを観てきました。21時半スタートという遅い時間ながら、館内は満席に近い状態。

アカデミー賞作品賞は惜しくも逃しましたが、音楽、ストーリーともにとても素敵な映画でした。

 

(以下、内容の記述あり)

 

  

女優を目指すミア、ジャズを生き返らせたい、そのために自分の店をもちたいセバスチャン(セブ)、お互いがそれぞれに自分の夢を諦めそうになった時、それを思い出させたのはお互いの言葉であり、お互いの存在でした。

 

成功したミアがパートナー(夫)と共に偶然入った店は、セブの店でした。入り口には、昔、ミアが考えた店のロゴが。

セブの弾く想い出のピアノ曲をバックに、「あったかもしれないふたりの人生」を想像するシーンは、思うようにはならない人生の哀しさを教えてくれます。同時に、それぞれの現在の成功が、お互いの存在なしには決してあり得なかったことも。

 

「愛とはお互いの顔を見合うことではなく、一緒に同じ方向を見ることだ。ひと束ねの薪束の中に、一緒に結ばれない限り、僚友はなく、同じ峰をめざしてたどり着かない限り、僚友はない」、と「人間の土地」でサン・テクジュペリが書いた言葉を思い出します。

お互いが、お互いのめざす夢を大切にし、その実現のために出来る限りのことをする。現実の世界では見つめ合う存在になれなかったとしても、それもまた、かけがいのない愛の形です。

 

ミアとセブの視線が絡まり、ぎこちなく微笑んだ後、「これで良かったんだ」とでもいうようにセブが頷くラストシーンは、ふたりなりの愛の在り方を確認し合った瞬間のように思いました。映画「カサブランカ」のAs time goes byのように、きっとこれからのふたりには、このピアノ曲がどんな辛い時も勇気を与えてくれることでしょう。

 

とても素敵な映画でした。

 

 

後閑徹

 


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