ファシリテーション / いわきの復興 

先週はじめ、2日間の研修を実施するためにいわき市に行ってきました。震災から6年、住民協働を進めるいわき市です。住民協働とは何か、深く考えるとともに、その手段としてのファシリテーションを身につける研修です。私の拙い経験や学び、実践していることを精一杯お伝えしました。

 

いわきは、東日本大震災のボランティアで2回訪れた地です。やっとまとまった休みがとれたのは震災から1年後の4月。当時、いわきは、ボランティアが足りていない被災地と言われていました。それでも、いわき市内のホテルは満室で、3つほど隣の駅にホテルをとったのを覚えています。

 

2度目は、同じ年の9月頃だったでしょうか。ゴミ集積場の山が以前より格段に高くなっていました。高いゴミの山を見ながら、あぁ、ボランティアの皆さん、頑張られたのだな、と思いました。今では、そのごみ集積所も、きれいにごみが片付けられているとのこと。被災地は着実に前進しています。

 

 

 

 

ボランティア時に災害時協定でいわきに派遣されていた沖縄の社会福祉協議会の男性と友人になり、未だに繋がっています。何度か沖縄の彼のご自宅にも泊めて頂き、うちにも泊まってもらったことがあります。東京に出張で来ることがあると、飲みに行きます。

私たちを結び付けてくれたのも、いわきでした。ホテルから、彼にいわきの写真を送りました。すぐに彼から、我々の縁の土地だね、と返信がきました。そう。いわきは、私に大切な友人をくれた土地でもあるのです。

 

いわきに少しでもお金を落とそうと、お土産をたくさん買いました。貝や鮪の加工品や珍味、数の子の黄金漬け、福島の桃を使ったジャムやクルミ柚餅子等のいくつかのお菓子類。大変、美味しくいただきました。

 

先日の宮城県庁や宮城県市町村の研修時も考えたことですが、被災地の復興は道半ばです。被災地で懸命に頑張る皆さんのために、私に何ができるか、これからも考え、行動したいと思います。

 

さて、この3連休は、一日秩父にドライブに行った以外は、企画書の作成とそのための資料の読み込み、民間企業での働き方改革プロジェクトのセミナーの準備、140人分のマネジメント上の問題の添削と、結局、働いていました。今週は、600人を相手にワークライフバランス/働き方改革の講演もあります。働きすぎを嘆かず、気を引き締めて自分のなすべきことを為そうと思うこの頃です。

 


ワーク・ライフ・バランスをとる

久しぶりの更新です。

 

各地に出向くといっても、研修を担当するだけなら余裕があります。ただ、ここ2か月ほどは、研修以外に新規企画書の作成、新しい顧客先に出向いての打ち合わせ・資料作成、研修テキストの執筆、課題の添削をして、月1本のコラムを書き、パワーポイントを作成する等、忙しく働いていました。段々と感覚が麻痺してきます。

 

研修のある時は、終了後、まっすぐホテルに帰って仕事をし、朝早くに起きて当日の研修のチェック(私はこの時に時間配分の計画のメモを作成をします)をする生活です。

前職で働きすぎて倒れた経験から、自分なりにワーク・ライフ・バランスをとらなければと思っていたのですが。

 

そんな忙しさも、今週が終わればひと段落のはず。先週は、新たにお仕事を頂いている民間企業の担当者様から企画書の督促のお電話を頂いてしまいました。電話の後、長崎のホテルでひとり反省をしました。忙しいことは決して良いコトではありません。自治体とはまた異なる面白さのある仕事です。仕事の質の低下に気をつけなければいけない、と肝に銘じます。

 

 

 

研修をしていて、最近、「学んだ内容を職場で実践します」、と言ってくださったり、終了後に名刺交換を申し出てくださる方が増えてきたことは、大変大きな励みになります。研修は、学ぶことが目的ではなく、実践することが目的なのですから。

 

 

今日は、これから、いわきに出掛けます。東日本大震災で泥かきのボランティアに行ったのが福島県いわき市でした。そこで研修を担当できることは感慨深いものがあります。皆様のご苦労に報いるよう、実践につながる学びを心がけます。

 

さて、今週が終われば、先延ばしにしてきた自分自身の新たな仕事にも取り掛からなけばなりません。

私は何者なのか、じっくり自分を見つめながら取り掛かります。

 

 

 

写真は先月、山口での仕事の後に赴いた湯田温泉。この数か月の中で唯一の観光です。

中原中也の生まれ育った地に、やっと訪れることが出来ました。

 


OJTマニュアル / 桜の記憶

書き仕事が詰まっています。

 

昨日、朝5時までかかって、依頼されていたOJT(職場内研修)マニュアルのたたき台を完成させました(厳密には、5時に諦め、3時間眠って11:00amに完成させました)。来週の木・金は札幌に出向き、マニュアル作成チームとともに2日間かけて内容をブラッシュアップ、その後、イラストレーターに依頼し、4月中に納品となります。月火は長崎で仕事なので、南から北へと、桜前線を追い越して日本列島を縦断します。

 

今回依頼を受けたのは、この10年で構成員が10歳以上若返ったという組織でした。アンケートやその他の調査を反映させ、育成方針をどのように具体化するのか、イメージしながら作成しました。

 

通常、OJTは、職場における業務知識の習得を目的とするものです。

しかし、よくある「知識・技術の承継」だけで良いのか。団塊の世代とそれに続く層の大量退職のため、現在の管理職層はかなりお若いというデータが気になりました。きっと、これは多くの企業でも起きている問題です。

 

大きな組織が機能不全になる原因は様々ですが、組織文化・風土はなかなか手を付けづらい部分です。OJTは人材育成の一環である以上、新しい人材を育て、職場に影響を与え、組織を変える手段になるはず。前例を検証し、澱のように溜まった旧弊を打破してもらいたい。

 

そんな思いもあり、OJTマニュアル作成においては、「新たな知の創造」「新たな組織(職場)文化の創造」を目的のひとつに入れました。意識調査アンケートで「急激な時代の変化を取り込む必要」のポイントが大変高かった点をどうにか反映させたい思いもありました。

 

札幌では、優秀な3名のコンサルタントの方たちと共に、たたき台のワード文書を映写しながら、その一字一句を詰めていくことになると思います。そんな時間も楽しみにしています。もちろん、夜の楽しく、美味しい宴会も。

 

     

 

朝からの雨模様が嘘のように晴れ渡った今日の午後、近くの図書館に犬の散歩を兼ねて桜を見に行きました。

桜は咲いて空を染め、散って地を染める。一週間後、またこの場所を訪れたら、きっと地面は桜色に染まっていることでしょう。

 

1歳のパピヨンに桜はどう見えているのでしょう。空気に漂う桜の香りを覚えているでしょうか。来年連れてきたら、彼女はこの桜を記憶のどこかから引っ張り出してきてくれるのでしょうか。


私も、OJTマニュアルを作成するために徹夜したことをいつかずっと先に、桜の花と共に思い出す日が来るかもしれません。

 

そんなことを考えながら、夕刻の散歩を楽しみました。

 

 

人材・組織開発コンサルタント・研修講師 後閑徹

 

 

 

 

 


「働き方改革は個人の能力の問題ではなく、組織の問題だ」から始めよう 

 

「そんなことしても、他の日の労働時間が増えるだけのこと」「仕事量が変わらないのにどうすればいいのか」

 

蠑床偲鉄錙文宗Ε僖淵愁縫奪)が、1960年(昭和35年)に、「5年後に週休2日制を導入する」と宣言した時の声です。働き方改革に取り組む現在と同じ声が、既に今から50年以上前に、あちらこちらで発せられていたようです。

 

海外視察通じて、国際競争に打ち勝つためには能率を高める必要があることを痛感した松下幸之助氏が、「1日休養、1日教養」をスローガンに断行した週休2日制は、当時、欧州でさえ一般的ではありませんでした。しかし、この取り組みはその後広がり、他の民間企業は1980年(昭和55年)頃、官公庁は1992年(平成4年)に完全週休2日制に移行します。

 

当時、松下幸之助氏は、「10分の電話を3分にする等の努力をして取り組む必要がある」という言葉を残しています。今の言葉でいえば、「業務を抜本的に見直し、改善することを通じた働き方改革を実施する必要がある」、となるでしょうか。

 

今年1月、蠧本電産の永守会長兼社長が、最新のロボットの導入やAI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)の利用により「2020年までに売上倍増(2兆円)・残業ゼロ」を目標に掲げ、世間を驚かせました。

 

松下幸之助氏と同様に、ビジネスの拡大とともに無駄を排除し、働き方改革を推進しようという考え方です。人間では不可能な改善余地の洗い出しをAIを使用して行うビジネスも始まり(日立製作所その他)、最早、働き方改革・時間外労働削減のために業務改善の必要性を否定する者はいないでしょう。

 

【本当に業務改善が時間外労働対策の主戦場なのか】

継続的な業務改善の必要性は認めるとして、現在の時間外労働の削減の主戦場は果たして、業務改善となるのでしょうか。

 

昨年に発表された「平成28年版 過労死等防止対策白書」に「所定外労働が必要となる理由」が掲載されています。厚生労働省による民間企業を対象にしたこの調査では、時間外労働の原因を企業側と労働者側の2者の観点から調査しています。それぞれの立場からの理由の上位3項目は下表の通りです。

 

〈所定外労働が必要となる理由〉

 

企業側の理由

労働者側の理由

1位

顧客からの不規則な要望に対応する必要があるため(44.5㌽)

人手が足りないため(仕事量が多いため)(41.3㌽)

2位

業務量が多いため(43.3㌽)

予定外の仕事が突発的に発生するため(32.2㌽)

3位

仕事の繁閑の差が大きいため

(39.6㌽)

業務の繁閑が激しいため 

 (30.6㌽)

※「平成28年過労死等防止対策白書」第2−7・2−8図を元に筆者作成      

参考URLhttp://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/16/dl/16-1-2.pdf

 

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【組織の問題を個人の能力の問題にすり替えていないか】

興味深いのは、企業側の理由です。そこには、労働者側の理由に上がっていない、「スケジュール管理のスキルが低いため」、「マネジメントスキルが低いため」、「労働生産性が低いため」という理由がありますが、それぞれ6.3ポイント、4.9ポイント、4.4ポイント、と極めて低い数値となっています。すなわち、企業側としても、仕事の進め方や管理の仕方の問題を時間外労働の主たる原因とは考えていないのです。

 

企業の場合、最早、「10分の電話を3分にする」ことが主戦場ではないのです。

 

時間外労働の理由として上位に挙がっている、「業務量が多いため」「人員が不足しているため」「仕事の繁閑期の差が大きいため」「顧客からの不規則な要求に対応する必要があるため」は、それぞれの組織において、管理監督者層が取り組むべき組織上の問題に他なりません。研修やコンサルティングの際によく話すことですが、「組織は、組織の問題を個人の能力の問題にすり替える」傾向があります。

 

果たして、時間外労働の旗振り役を担っている部署では、その真の原因を、分析してみたことはあるでしょうか。安易に「業務改善をすれば、時間外労働の削減が成る」「残業抑制は個人の努力の問題である」と捉えてはいないでしょうか。もし、そうであれば、これは、まさに「組織の問題を個人の問題にすり替えている」以外の何物でもないように思います。

「働き方改革は個人の能力の問題ではなく、組織の問題である」をスタートにしないと抜本的対策にはならないはずです。

 

人材・組織開発コンサルタント・研修講師 後閑徹

 

 


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